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2011年9月30日金曜日

英語:電話恐怖症

どうやら日本人に限らず、外国語環境で暮らしている人はみなこうなるようです。
私もいくらかは改善しましたが、いまだに大きなストレスです。

一番厳しいのは、相手にダバダバ~っと喋られてしまい、こちらが内容を確認しようと何かを言うと、今度はそれが通じず"Hah?"とか言われてしまい、心が折れることです。

最後の「ハア?」は、日本人で言えば、自分の嫌いな相手に「は?あんたなにいってんの?さっぱりわかんない」と言い放つぐらいのときにしか発しないような実に嫌な発音です。

私の知る限り、米国のあるタイプの人々(特に店員、各種サービスのオペレーター、窓口の人間など)は平気でこういう反応をします。悪気はないのでしょうが、少なくとも周囲の教養ある人はこういう聞き返しのしかたをしてきません。


さて結局のところ、電話については100%聞き取れていない以上、相手に主導権を与えないようにするしかない気がします。慣れれば、向こうからかかってきた電話に対しても同じことができます。

1)まず自分の用件をズバっという。通じてなければ、相手に質問させる暇を与えず、別の表現を使って伝え続ける。

2)相手のターンになり、どんなに長い話をしてこようが、適宜さえぎり"So, you are saying...OK?"とワンセンテンスにまとめて確認する。
ここで自分が確認しなかったことは「聞いていないし、相手も言っていないことである」と割り切る。
「自分が聞き取れなかった部分に重大な情報が含まれていたのではないか?」「これを再確認したら話の流れを折るのでは?」という疑念や遠慮は不要。
それと、「バカだと思われるのでは?」と思う必要もなし。どうせ米国のある種の人たちは、「言葉が話せない=バカ」と最初から決め付けて露骨に態度に出してきます。そしてその人たちがどのようなカテゴリーに入るかは...もう分かりますね。

3)アメリカ人の蛇足はすごいので、相手が自由に答えられるopen questionはしない。Yes or Noで答えられるような聞き方をする。そのためには、この会話でのゴール(1,2個に絞る)を明確にする必要がある。

4)先に述べた店員、各種サービスのオペレーター、窓口の人間などが相手の場合、必ず名前とそのスペルを確認する。基本口からでまかせなので。

5)こうして、相手もさっさと用をすませて電話を終わらせたい…と思うように仕向ける。

6)なぜここまでしなきゃいけないかと言うと、どれだけこっちが英語が苦手なのを伝えても、一向に喋り方を変えることのできない人たちがいるからです。


電話でずいぶん苦しめられたせいで、なんか自分の書いた文章とは思えないほどラジカルです。

2011年9月27日火曜日

国際医学雑誌

ボス:(私の英文を見ながら)…第二言語で医学論文を書くのはたいへんなことだ。
私:第二次世界大戦の結果のせいです
ボス:なんで?
私:日本は全部の南の島々を放棄することなんてなかったんです。まあ、キープした状態で終戦になったとしても、今頃は独立国になってるでしょうけど。
ボス:それと医学論文になんの関係が?
私:そのうち一つでも、日本語が公用語の独立国が残っていればいいんです。日本以外にも日本語の通用する国があれば、

"The International Journal of Anesthesia"
とでも名づけた「国際誌」を日本語で出版できるじゃないですか。

英語で論文を書く苦しみが減ります。

2011年9月25日日曜日

物品購入

日本でもそうですが、研究につかう本当にさもないものでも、予算を使って買おうとするととんでもない時間がかかります。

そして、こちらは事務手続きが日本よりずっとおそい米国なので、実態は推して知るべしです。「物品の申請手続きが遅くて実験が始められない」というのが普通の会話です。

問題は、「その物品が本当に実験に使えるかどうか分からないけど、試してみるうえで必要」な場合です。1個買っては試し、、、などとやっている時間は帰国時期が決まっている日本人留学生にはありません(不思議なことに米国の研究者にはあります)。

実例をあげますと、実験で使っているソフトウェアが何十年もまえのもので、ぎりぎり互換性が残っている32bit-Win7で何とか動かしているのですが、ソフトから周辺機器を操作するともなると大変です。USBを昔の規格のコネクタに変換してつないで、それを動かすためのドライバソフトを試したりするのですが、星の数ほどあるケーブルやドライバのどれが「当たり(互換性があって使える)」か分からないのです。おまけに、全く同じPC複数にインストールする必要があるのですが、不思議なことにあるマシンではOKで別のでは動かなかったりします。ディープなエンジニアのためのサイトをみながらこういう作業をしていると、だんだん医者じゃなくなっていく自分が気持ちよく思えてきます。

さて、1ヶ月待ってやっと届いたケーブル、ソフトウェアのセットがダメでした。
こんなこともあろうかと、自腹で(数千円)買っておいた別のものが当たりでした。
これが複数欲しいのですが、人を介して購入手続きを待つ暇なんぞないので、それをまた自腹でAmazonから複数買ってしまいます。

買える時間なんて買ってしまえばいいんです。

しかし、この「急ぐので自腹ですますクセ」が将来裏目に出そうな気がします。
悪く言えば公私混同しているわけで、のちに自腹分を予算から補完するのなんかを繰り返しているうちに、「予算の流用」を疑われそうです。

実際、こういうトラブルに巻き込まれる人って、最初は単に「急いでいた」だけだったんじゃないか?とか想像したりします。

ま、私は将来日本で自分の予算をコントロールできるほどの立場にはならないでしょうから、いいんですけど。

2011年9月24日土曜日

路傍

日本でも、交通事故現場になったところには、小さく花がたむけられていたり、時に「重大事故発生現場」とかの看板が出ていたりしますが、基本はひっそりしています。

で、こちらの高速道路脇には、思いっきり「十字架」です。そのまま墓標っぽいサイズのものまであります。名前、日付が記されていたりして、たまにドキっとします。

地上ばかりではなく、その高速道路の頭上には、ものすごく巨大な看板に中年の男性の写真が掲げられていてたりします。名前と亡くなった日付に、「もしもあの時大腸ファイバー検査を受けていたなら」みたいな文言が添えられています。芸能人や有名人ではなく、一般人のようです。

この手のテレビコマーシャルも普通にあります。

2011年9月19日月曜日

カウント

ブログの右上にカウンターがあるのですが、週末にどかっと増えます。
(といっても、10件単位ですが)
なんでかなーと思ったら、麻酔科専門医試験が近いからの対策記事を探してきてくださっているようです。具体的な情報がなくて恐縮ですが。

懐かしく自分が受けたときのことを思い出しました。

実技試験のために向かった試験会場の神戸のホテルで、ふつうの客室に呼ばれて入ったら麻酔器とACLS人形があり、そして傍らに雑誌で見かけるえらい先生方が3人並んでいる…。

この状況で笑うなと言う方が無茶です。

2011年9月16日金曜日

洗濯室

私もいい歳して学生が住むようなアパートに住んでいますが、よほどいいコンド(マンション)でないと、自分の洗濯機は持てません。そもそも室内に置く場所が想定されていないのです。

どうするかというと、アパートで共用の洗濯室に行って、コインを入れて洗うわけです。うちは運よくドアの脇にある狭い階段を下りてすぐ階下にある(5秒で行ける)ので有利なのですが、週末はよく争奪戦になっています。

ちなみに自宅は、あきっぱなしのアパート共用玄関を入り、1畳ていどの小さな廊下を経て自室のドア、という位置にあります。ですので、廊下や洗濯室は誰でも入れてしまうのですが、距離感的には自宅の一部のような気がします。


冬の話ですが、早朝洗濯室に行ってみると、真っ暗な部屋の隅で白い目だけが光っていました。よくみると、中年のおっさんです。コンクリートに新聞紙を敷いて転がっていました。

驚愕する私に、彼は、「い、いやね、ここのアパートに彼女がいてさうんぬんかんぬん」とスペイン語だか英語だかわかんない言葉でいいわけし始めました。

どうみても風体はダウンタウンの公園にいるような、なんというかホームレスでして、いくぶん治安のいいこの辺にまで来ることは通常ありません。そしてこのアパートは私以外大学生です。彼ですらここに彼女ができるというなら、私ならハーレムを作る自信があります。

20分の洗濯が終わったのでまた降りてみると、もう彼は去っていました。その後、洗濯室で寝てる人を見るようなことはありません。きっと彼の「雨露をしのげる場所リスト」からも外れてしまったのでしょう。

近所にはある教会の本部もあり、「行き倒れになるには最もいい街」と言われています。ダウンタウンには金網で囲まれたシェルター(家のない人が行くと泊まれる施設)が複数あり、それが高級マンションやショッピング施設のすぐ横にあったりして、たまに不思議な光景になっています。

2011年9月12日月曜日

ギリシア祭り

移民の国、入植の街であるため、ルーツの国ごとにコミュニティがあって、民族的なお祭りをやったりしています。

以前触れた「日本祭り」はどちらかというとコスプレコンテストでしたが、偶然のぞいてみた「ギリシア祭り」はちゃんとした民族衣装とかダンス、伝統料理に触れることができたようです。毛をむしられた羊が、口から尻まで串を通されて、炭火の上でぐるぐる回っているのが圧巻でした。

この街では教会の力が強く、日曜日に酒を売ることですらひと悶着あるそうですが、それとは違う宗派のギリシア正教会だけあってか堂々とワインバーを開いていました。

ちなみに、食べ物はトルコのそれとけっこうかぶっています。シシカバブとか、超甘いスイーツとか。




2011年9月7日水曜日

給油口

アメリカの車の給油口にはカギがついていません。

昔、映画でフランスのレジスタンスが、ドイツ軍の戦車の給油口に砂糖を投入して動けなくしているのを見て、「車で最もガードが必要な部分である」と子ども心に強く思ったものです。

最初は「何て無防備な」と思いましたが、犯罪大国アメリカでもここにイタズラする人はいないってことでしょうか。何とも思わなくなりました。

2011年9月6日火曜日

どこでもつながる

アメリカの良い点は、ちょっとした街の中にいれば必ず無料Wifiポイントを見つけられることです。
スタバのようなお店なら必ず、そしてコインランドリーとかレンタルビデオ屋とか、「人がたむろする可能性があるところ」でも高い確率で無線LAN環境が完備です。

日本に一時帰国すると、まずそれで困ります。日本で使える携帯端末を持っていないので、gmailを開くためだけにポイントを探してPCをもってうろうろしたあげく、結局見つけられないとか。
そういえば昔、現在は塀の中にいるIT社長がアメリカみたいにしようとしていたような、いないような。

アメリカの良くない点は、ネットの回線速度が恐ろしく遅いことです。
私の家でも「いつのフレッツISDN?」というスピードに耐えています。PCは最新でも、Youtube厳しいです。

2011年9月1日木曜日

ぬるま湯大好き

論文に載っていた研究の生データをもらおうと、欧州の著者に連絡しました。

(正確には私のボスにしてもらいました)

すると、立派な雑誌にたくさん載っているにも関わらず、とんでもなく若いことが判明しました。

「あれは学生のときにやった研究で、むしろこれから臨床医としての研修始めます~」的な返事です。

そういえば以前に、某国で優秀だったから二十歳前で医者になってた…って留学生に会ったこともありました。

こういうことがあると、日本が「ぱっと見のキャリアからは中身の差が分かりにくいシステム」で良かったなーと思います。